人生を輝かせる『キレイ』が満載!

奥山久美子さん

2013年5月16日 公開

アカデミー・デュ・ヴァン副校長。成城大学卒業。1989年日本ソムリエ協会ワインアドバイザーを取得後、 「奥山ワイン教室」を主宰。1997年シニア・ワインアドバイザーを取得。 1991年「アカデミー・デュ・ヴァン」講師、1993年主任講師。 WSETアドヴァンスト・サーティフィケート。ヨーロッパ文化に造詣が深く、多くの企業向けのワインセミナーも行う。 1998年「シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ」(フランスチーズ鑑評騎士)、1999年「シュヴァリエ・デュ・タストヴァン」(ブルゴーニュのワイン利き酒騎士)、2008年「コマンドリー・ド・ボルドー」(ボルドー最高評議会の会員)。2002年4月より「アカデミー・デュ・ヴァン」副校長。 著書に「ブルゴーニュ、コート・ドールの26村」(ワイン王国)、「極上ワイン100本」(朝日新聞出版新書)など多数。 オフィシャルブログhttp://ameblo.jp/dom-kumiko/

私にとって、ワインほど食事時間を充実させ、 身体的・精神的に元気にしてくれる飲み物はありません

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Q1:ワインアドバイザーとして、最も大切にされていること(哲学や信念、お気持ちなど)を教えていただけますか?

美容も大切ですが、健康についてはなによりも配慮しています。

1年や1日の始まりの時、そして乾杯の時にも必ず「健康」でいられるようにと願っています。誰でもそうですが、健康を損なうと仕事が疎かになり、食事の楽しみも半減してしまいます。

特に、飲食に関わる仕事なので体調を整えるために、ストレッチ体操等で肩甲骨を柔軟に保ち、姿勢を良くするように努めています。

ワインは食事の一部として毎日頂いているので、身体的にも精神的にも活力になります。仲間との楽しい食事会の際に飲み過ぎてしまうことは多々ありますが...(笑)。

また、ワインアドバイザーはワインを造るのではなく評価をする立場なので、常に正確な情報を得ること、感性を磨き表現力を豊かにすることに心がけています。

Q2:ご自身のお仕事の中で、特に印象に残っている出来事や思い出を教えてください。

女優の川島なお美さんが1998年10月に私のクラスの毎週通われていた時、当時のコスモス青山ビルのエスカレーターには屋根がなかったこともあり、雨の日に滑って、足の脛を20針縫う怪我をされました。

午後2時半頃、エステ帰りで素足にミュールを履いていたなお美さんは、右手に傘を持ち、左手にワインテキストと私にプレゼントしてくださるワインを持った状態で、下りエスカレーターからフロアに着地する際に起きた事故でした。

気丈ななお美さんは、教室までゆっくり歩いて来てワインを私に渡し、直ちに病院で手当てを受けました。驚いたのは、その夜に沢山のテレビ局や週刊誌が取材に来て大騒ぎになったことです。「ワインをかばって大怪我をした」というような見出しで話題になったのですが、私のためにワインを大切に持っていたと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

当時のなお美さんは「私の血はカベルネ・ソーヴィニョンでできている」というセリフが有名でしたね(今はピノ・ノワールかもしれません)。

その後、1か月間は、傷が残らないようにと車椅子でスクールに通われました。その後、順調にご回復され、傷もきれいに治って本当にホッとしました。なお美さんとは、現在も親しくお付き合いさせて頂いています。

Q3:自分に合ったワインの見つけ方を教えてください。

ワインの魅力はバラエティに富んでいることがあります。

シャンパンのようなスパークリングワインを例にとっても、すっきり爽やかなものから重厚でコクのあるものまで多種多様。食前酒としてだけに限らず、魚料理・肉料理と合わせることもできます。つまり、シャンパンだけを見ても、好きなタイプを見つけることができるのです。

自分に合うワインは、基本的に食事の好みと共通しています。ワインの味わいを左右するのは、ブドウ品種であることが多いので、品種で選んでみましょう。

白ワインは辛口白の王様「シャルドネ」はバランスよくコクがあるので、魚料理からシンプルな白身の肉(鶏肉、豚肉)料理にも合います。爽やかでシャープな酸味が活き活きしているのが好きな人は、ソーヴィニョン・ブランかリースリングを選び、さっぱりとした魚介料理に合わせてみてはいかがでしょうか。

肉料理が好きな方なら、赤ワインに含まれるタンニン(渋み)が動物性脂肪を流しつつ旨味を増長させるので、タンニンのしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニョンやメルロ。

鶏肉や豚肉のヘルシーな料理であれば、紅茶のようなタンニンと繊細なテクスチュアのピノ・ノワールがよいでしょう。野菜や豆腐料理、エスニックが好きな人は辛口のロゼを冷やして飲んでみてください。

まずは料理のタイプと共通性があるワイン選びから始めてみましょう。

Q4:奥山様とワインとの出会い、またその魅力を教えて下さい。

好奇心が強く、特に美しいものや美味しいものに興味があった私は、縁あって23歳の時にアパレル業界の人と結婚しまして、原宿でブティックを始めました。

その後、毎年、仕事を兼ねてフランスやイタリアを訪れていましたが、その一番の楽しみは、レストランでの食事とワインでした。私は現地で、ワイン名はブドウを収穫する産地の名前であり(ヨーロッパの伝統的なワイン産地の場合)、毎年の天気の良し悪しで味わいも微妙に違ってくるということなどを初めて知りまして。

さらに、他のお酒と違いは、ワインはボトルのなかで生きていて、熟成することにより深みがでること、価格は千円~百万円まで普段用から芸術の域に達しているものまであること(「千倍の法則」と言われており、車、オーディオ、時計等に当てはまる)といった文化的側面を理解しまして、その世界に益々ハマっていきました。

ワインの魅力とは、世界中の春夏秋冬がある地域では造られていて、その気候風土や文化を表現しているところにあります。米や麦のような乾燥穀物に水を加えて造る日本酒やビールと違い、生鮮果物を収穫して直ちに仕込むので土地の特徴が現れます。

また、最もヘルシーなお酒というのも魅力ですね。ミネラル豊かなアルカリ性で、酸味が食事を美味しくさせ、赤ワインの渋み成分ポリフェノールは血液中の活性酸素を撃退し、さびない身体にしてくれるのでアンチエイジングにはぴったりです。

などと、色々ありますが...、私にとってはワインほど食事時間を充実させて身体的・精神的に元気にしてくれる飲み物はないと思っています。

Q5:最新のワインのトレンドについて教えて下さい。

フランス料理をはじめ世界中のガストロノミック(美食)レストランでは、日本の懐石料理のような、旬の素材を活かした繊細な味付けの料理が増えており、動物性脂肪と塩分の強いクラシックな料理が減ってきています。

ヘルシー志向もあり、オーガニックで彩鮮やかな野菜を用いて、お皿を飾り立てる料理も多く、パリでは柚子やワサビを普通に使うようになりました。

そんな繊細な料理には、シャンパーニュやブルゴーニュの赤ワインが相性が良いと思います。アメリカ、オーストラリアをはじめワインのニューワールド(ヨーロッパからワイン造りが伝わった国)では、ピノ・ノワールの生産量が激増しています。また、ニュージーランドのような冷涼な国が造るピノ・ノワールはブルゴーニュの味に一番近いということで注目されています。

日本国内でいえば、甲州ブドウで造られるデリケートな味わいの白ワインは、10年前と比べると劇的に品質が向上して、美味しい辛口が増えました。和食に合わせて楽しんでみてください。

Q6:スキンケアや食べ物、健康法など、ご自身の美容に対するポリシーを教えてください。

皮膚を健康的に保つために、食生活に気を付けてストレッチ体操を行い、血液の循環を促すことが大切だと思います。

私の場合、特にパソコンによる目の疲労から、異常なほどの肩こり症なのが悩み。日頃からの体操だけでは足らず、タイ式マッサージにも週1回通っています。

スキンケアは超シンプルで朝晩に化粧水と保湿クリームのみですが、ホワイトニングやシートマスクは週2~3回行っています。衣理クリニック表参道の皮膚表面を活性化させる施術にも興味がありますね。

仕事柄、フランス料理などのカロリーの高い食事を頂くことが多いですが、一緒にワインを飲んでいるので、動物性脂肪を流して新陳代謝が良くなるせいか、太ることはありません。

また、食べ過ぎた翌日は野菜、豆腐、納豆のようなヘルシーな食事を中心にしてバランスをとるようにしています。基本的に1日2食で、食事と食事の間は6時間あけて間食はしないようにしています。

ワインを毎日飲んでいるせいか、血液検査では善玉コレステロールが多めで、他には問題がないきれいな血だとお医者様に褒められます。

50歳まではテニスやエアロビクスなどの激しい運動が大好きでしたが、年齢を経て、大汗をかくような運動をしていると、シワばかりが増えて、老化が進むような気がします。

赤ワインは瓶詰された時は赤紫色(青みがある)ですが、熟成すると青がなくなり茶色がはいりレンガ色に変化していきます。その時に激しく揺さぶると酸化して褐色(老化)になってしまいます。

人間も熟成のピークを迎えたら、激しい運動は避けて、ウォーキングやストレッチなどの緩やかな運動だけでも充分だと思います。

Q7:お仕事柄、多くの女性の方とお会いすることが多いと思いますが、どのような女性を美しいと感じますか?

立ち居振る舞いの美しい女性。好奇心旺盛で、素直で、前向きで、元気で明るい女性。清潔感があり感じの良い女性。ファッションセンスが良く、家での整理整頓がきちんとできる女性。気働きや思いやりのある女性。

見た目印象については、皮膚のキメが細かく、血色や艶が良く、健康そうな女性です。1

Q8:ご自身が豊かなライフスタイルのために心掛けていることとは?

基本的に健康を維持しつつ、素敵な趣味を持ち、趣味が同じ友人と一緒に楽しむことが一番だと思います。

現在は仕事も趣味もワインが中心ですが、そのワイン仲間と観劇やコンサートや旅行に行くことが楽しいですし、精神的な栄養を頂いています。

Q9:長年愛飲されているワインの銘柄を教えてください。

エレガントで華やかなブルゴーニュのワインが大好きで、ほぼ毎日飲んでいます。

たとえば、ムルソー、ピュリニ・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ村の白ワイン。

ヴォーヌ・ロマネ、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニ村の赤ワインが特に好きです。

Q10:いま取り組みたいこと、将来的に手掛けたいプロジェクトをお聞かせください。

ワインは食事とともに楽しむお酒なので、ソムリエのようにそれぞれのワインを分析して食事との相性を考えることも重要ですが、私の場合はワインの背景にある文化的な要素に注目しています。

ワインと同様に各地域で育まれた音楽や芸術について研究して、ワインと芸術のコラボレーションのようなものに取り組みたいと思っています。過去に授業で「ワインとアート」「ワインとショパン」「ワインと世界遺産」などを取り上げましたが、今後もより楽しいテーマを追求したいと考えています。
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