PROFILE
女性誌編集部、編集プロダクションを経て、’87年よりフリーランスに。
『エル・ジャポン』『フィガロ・ジャポン』『美的』『和樂』のほか、女性誌のビューティページやコラムの執筆、トークショーなど、幅広い分野で活躍。
著書に『しあわせ美人のつくりかた』(ぶんか社)がある。
『エル・ジャポン』『フィガロ・ジャポン』『美的』『和樂』のほか、女性誌のビューティページやコラムの執筆、トークショーなど、幅広い分野で活躍。
著書に『しあわせ美人のつくりかた』(ぶんか社)がある。
肌を日々観察し、微調整しながら使いこなす。それがスキンケアの極!
Dr.衣理
今日は、美容のプロ中のプロである倉田さんにいらしていただいているので、スキンケアに関するお話を中心に伺いたいと思います。倉田さんの記事を拝見していると、丁寧にご自分の肌を育もうとしている姿勢を持ってらっしゃるのがわかって私はとても共感できるのですが、まず、スキンケアで大切にしていらっしゃることは?
倉田さん
老化は「乾燥すること」と「滞ること」で加速する、というのが私の持論です。乾燥させないためには保湿が重要ですし、古い角質や汚れを残さないこと、そして、血行やリンパの流れを停滞させないよう、体の内側にも働きかけて新陳代謝をよくすることが大切だと思っています。
Dr.衣理
おっしゃる通り、肌のベースの部分がいちばん肝心ですよね。年齢を重ねるといろいろなものが減る一方なので、肌にとっての「貯金」をいかに減らさないようにキープするかがポイントだと私は思います。減っていくことは防ぎようがないけれど、その下降していく曲線をできるだけなだらかにして肌力を温存すること。それには“何を使うか”だけでなく、使い方も重要ですよね。
倉田さん
そうですね。例えば、マスカラまで素早く落とせるのでオイルクレンジングが人気ですが、私は洗浄力が穏やかなクレンジングミルクが好き。目元などのポイントメイクはコットンと綿棒を使って細かく丁寧に落とします。
クレンジングはスキンケアの要で、擦ったりして刺激を与えないことと、うるおいを奪いすぎないことがとても大事。私自身、肌が乾燥して敏感になっているときは、クレンジングをなじませ、化粧水を含ませたコットンで拭くだけにすると肌が落ち着きますね。
クレンジングはスキンケアの要で、擦ったりして刺激を与えないことと、うるおいを奪いすぎないことがとても大事。私自身、肌が乾燥して敏感になっているときは、クレンジングをなじませ、化粧水を含ませたコットンで拭くだけにすると肌が落ち着きますね。
Dr.衣理
私も肌の免疫力が低下して、やさしいクレンジングでも洗えないときは乳液をたっぷり塗ってティッシュオフするだけにします。そうして肌に負担をかけないようにすると、あきらかにバリア機能が保たれてくるんですよ。ゴシゴシ擦る洗顔はとにかく肌にとってマイナス!
倉田さん
あと、よくスポーツクラブで見かけるのですが、みなさん、コットンとか置いてあるのに使わない。手でパンパン!ってつけて終わり。コットンで丁寧につけてきちんとなじませるとか、そのひと手間で違ってきますし、ガラス細工を扱うように自分の肌をいたわらないと!
基本的な使いこなし方とかお手入れの仕方がおざなりになっていて、顔はゴシゴシ洗うのに、美容液だけ一点豪華主義ではもったいない。化粧品は全体にどれもレベルアップしているのに、その実力が十分に発揮できていない気がしますね。
基本的な使いこなし方とかお手入れの仕方がおざなりになっていて、顔はゴシゴシ洗うのに、美容液だけ一点豪華主義ではもったいない。化粧品は全体にどれもレベルアップしているのに、その実力が十分に発揮できていない気がしますね。
Dr.衣理
ベースのスキンケアでマイナスにしておいて、プラスαの部分である美容液とかに頼るのは間違い。使い方によって効果も違ってきますしね。
倉田さん
でも私も最近やっと、「私ってこういう人」というのがわかってきた感じがするんです。肌も体もメンタル的な部分も含めて、“自分の取り扱い方”がわかってきたというか…。だから肌のサインも察知できるようになって、クレンジングを切り替えたりすることで、トラブルを未然に防げるようになったのかな、と思います。
Dr.衣理
私も、そういうことがわかるようになったのはここ数年ですよ。30代前半はいま思うと無謀なこともしていて、効くと薦められた化粧品はとにかく全部使ってみたりしていました。でもちっともよくならなくて。
倉田さん
私だって数多の失敗をして、肌を壊してきましたから(笑)。
Dr.衣理
逆に30代半ばになってようやく自分に合うものがわかるようになったら、むしろ40代の現在の方が20代の頃よりずっと肌の状態がよくなって。肌の変化を日々観察したうえで、そのときの自分の肌に合うケアを工夫できるようになりましたね。だから、スキンケアの正解はひとつではなくて、肌の数だけ正解がある!
倉田さん
まさに先生のおっしゃるように、肌は日々変化するもの。例えば「今日は胃もたれするからおかゆにしておこう」とか、体調に合わせて食べるものを変えるように、気候とか肌の様子に合わせて微調整するのがスキンケアの極意だと思うんです
それには、今朝の肌はどうかなとか、このくらいつけたらどうなるかな、というのを日々観察して自分の感性を磨いていくしかない。もっと言えば「自分に興味を持つこと」が極意なのかもしれません。
それには、今朝の肌はどうかなとか、このくらいつけたらどうなるかな、というのを日々観察して自分の感性を磨いていくしかない。もっと言えば「自分に興味を持つこと」が極意なのかもしれません。
「 ラクしてきれいになる 」なんて虫のいい話はあり得ない!面倒でもその“ひと手間“が差を生むんです
Dr.衣理
倉田さん流の肌の“微調整”についてもう少し詳しく伺いたいのですけれど。ちなみに肌が弱っているときのスキンケアは?
倉田さん
本当にひどいときは、洗顔料を使わずミルククレンジングのみで。化粧水のような水さえも刺激に感じるときは、ワセリンなどのバーム状のものを“包帯”がわりに使います。肌がごわついたり、冷えや疲れの影響が顔にも出ているときは、血行を促すための蒸しタオルやマッサージを入れたり。調子のいいときは逆に肌に貯金をするようなつもりでマスクを投入します。
Dr.衣理
マスクはSOSで使うのではなく?
倉田さん
そうですね。弱っているときは肌断食に近い感じで最小限のお手入れにします。あとは、まずいな、と感じたとき、肌状態を元に戻してくれるような鉄板アイテムをいくつか持っていますし、調子が悪いと点滴したり、サプリを飲んでみたり、早めに仕事を切り上げてたっぷり睡眠をとるとか、そういうクセはついていると思います。衣理先生は?
Dr.衣理
私はベースのケアは変えない主義なので基本的に使うものは同じですが、ただし使い方を変えます。物理的な刺激を抑えるために肌にそっとのせるだけにするとか、ゆっくり時間をかけて浸透させてあげるとか。基本的にやっていることは倉田さんと同じですよね。
倉田さん
ただ、日本人はこういう面倒くさいことに関して嫌がる人がとても多いんです。以前、韓国に仕事で行ったとき、「日本人はきれいになりたい、っていうわりには面倒くさいのはヤダ、痛いのはヤダ、なるべく自然で」とか言うけれど、韓国人は違うと。
「きれいになれるなら面倒くさくてもやるし、多少痛くても我慢する」と言われて確かにその通りだと思いました。ラクしてきれいになるとか、ラクして痩せるとか、これ1品ですべてOK、とか、そんな虫のいい話はないですから(笑)。
Dr.衣理
その言葉通り、倉田さんは運動もきちんとされていますよね?
倉田さん
みなさんに「加圧?」って聞かれるから「無圧」ってお答えしているんですけれど(笑)、ジムでのトレーニングです。パーソナルトレーナーについて週1回、5年通っています。
Dr.衣理
続けてらっしゃるというのがスゴイ! 尊敬します(笑)。
倉田さん
いまやめると5年間注いだお金と時間が台無しになって、あっという間に戻るような気がしてやめられないんです(笑)。でも、単に引き締まっただけでなく体調もよくなりましたし、冷えや疲れ、むくみとかもなくなり、精神的にも強くなった気がします。
Dr.衣理
倉田さんと言えば、フカヒレ好きも美容界では有名ですけれど(笑)。
倉田さん
「フカヒレが飽きた」なんて言うと言いすぎですが(笑)、最近はお肉にも目覚めました。野菜ももちろん摂りますが、ある程度年齢を重ねたら、やっぱり細胞の材料になるタンパク質を摂らないと。なま肉だとサラダ感覚でさっぱり食べられますし酵素も摂れるので。新宿2丁目にあるディープななま肉のお店がいまお気に入りです(笑)。
Dr.衣理
内側にも働きかけることって、スキンケアと同じように大切ですよね。さすがは美のプロ! では最後に「スキンケアの格言」をお願いします。
倉田さん
とにかく自分に関心を持ち、小さな変化を見逃さず、諦めず、 よりよくなるために努力をすること。自分の肌のよき相談相手は自分なのですから、肌を日々観察したり、いたわって大切にしてあげることが、肌だけでなく、まわりの人や仕事を大切にする心にもつながって、良循環を生むのではないでしょうか。
スキンケアの格言「美しさとは、今の自分の「自己ベスト」を目ざすこと。」 倉田 真由美
“美”を呼び込む倉田さんのお気に入りを紹介!
抗酸化パワーの赤が 元気をくれる!
「7月にパリで買った上海コレクションのシャネルバッグ。年齢を重ねると、ファッションも決めすぎると貫禄が出て老けがちなので、どこかカジュアルダウンを心がけるようにしています。このバッグは、パテントみたいな感じとか、くたっとしてこなれた感じがそんな気分の着こなしにぴったり。赤の元気な“抗酸化カラー”が気に入っています」
まるで携帯電話!? メイクの上からうるおい補給
ケースをスライドするとミストが噴霧して肌を保湿。「美容家電というより、モバイル美容という言葉がぴったり。携帯電話のようなデザインでコンパクトなので、外出先でも手軽にシューっとうるおい補給。ファンデーションよりもミストの粒子が細かいのでメイクの上からでもOK」トリプルナノコロイドやヒアルロン酸などを配合した 専用エッセンスつき。アイミー¥18,900/RITZ
香りも大好きな 入浴剤&ハンドケア
右/「ハンドクリームというと無香料のものを好まれる方が多いのですが、花の香りやフレッシュな香りがするものを手につけると精神的にもリフレッシュできます。アロマテラピーを日常に取り入れる意味でも、ナーラ ヘルト ナチューリクトのオーガニックハンドクリームはおすすめ」左/「お風呂で内側の汚れを流し去る意味で愛用しているのが、アユーラ ウェルバランス ナイトリートバス。アロマティックハーブの香りとやわらかなミルク感が好き」
コラーゲン補給に すっぽんスープを常備
「京都にあるすっぽん料理の名店『大市』のすっぽんコンソメスープはいつも常備。40歳を過ぎて、体の状態が全部肌にでることを実感してから、ヘルスコンシャスの一環として、疲れていたり、肌の調子の悪いときに取り入れています。薄味なので、塩、胡椒、しょうがなどを足したり、雑炊にして楽しんでいます。値段も千円くらいと手頃で、紀ノ国屋、三越などで手に入ります」
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