これまで国内ブランドのベース&カラーメイクは他国に比べてカラーバリエーションが少ないことが定例でした。リップなら10色、ファンデーションなら4,5色あれば多いほうであったかもしれません。なぜなら、日本人=黄み肌というのが常識だったからです。
ただ、SNSなどインスタ映えにより、メイクバリエーションが広がったことや、ハーフ、ミックスなどマルチレイシャルな人たちが増えていること、さらに言えば、日本在住の外国人も多くなっていることから、外資ブランドが日本発売分のカラーレンジを広げたり、国内ブランドもベースメイクのカラーを増やしたり、と気がつけば、ここ数年でカラーの選択肢がグンと増えました。
すでにアイシャドーではアディクションなど、複数のブランドが100色近いバリエーションを出して話題を呼びましたが、その傾向はリップにも飛び火。数十色の新色を揃えるブランドも登場しています。
そんなトレンドのなか、なんと全60色! という圧倒的なリップのカラーバリエーションを発表したのがNARSです。
こちらはブランド創設25周年を記念して発売するコレクションで、シアー、サテン、マットの3種の質感カテゴリー・全60色に及ぶカラーがそろい踏み。
当初、リップはアイシャドーと異なり、カラフルな色が少ないため、60色の差別化は難しいのでは? と思っていましたが、実際のカラーを見てみると、カラーも仕上がりもかなり差があり、さすがの仕上がり。ファッションにあわせて、複数色を買い占めたくなるようなバリエーションに仕上がっています。
ナーズ リップスティック 各\3,300/ナーズ ジャパン(9月20日発売)
続いて、この春、ファンデーションで24色を発売したシュウ ウエムラが、それに併用するコンシーラーとして発売するのが、全13色からなるアンリミテッド コンシーラーです。
ファンデーションは、アジア人の肌色だけを科学的にマッピングして、24色を揃えたという、アジア人のためのシェード展開でしたが、今回の新作コンシーラーの13色も同様のコンセプト。
茶ぐまから青ぐまはもちろん、男性の青ひげも隠せてしまうほど豊富なカラーが揃っています。
また、同時発売のクッションファンデーションも、クッションとしてはカラーバリエーションのある8色展開。クッションは2~3色展開のブランドも多いなか、これだけあれば「色があわない」というストレスは解消しそうです。
アンリミテッド コンシーラー 全13色 各\3,400/シュウ ウエムラ(8月21日発売)
アンリミテッド ラスティング クッション 全8色 各\6,000
/シュウ ウエムラ(8月21日発売)
国内ブランドも負けていません。SHISEIDOは、過去最高のカラーバリエーションとなる全12色からなる新作リキッドファンデーションを発表。
世界では30色展開となるので、本当ならば全30色を発売してほしいところですが、SHISEIDOは店舗数も多いこともあり、国内で12色揃うだけでも快挙でしょう。
こちらに汗・皮脂・表情と動きに強いテクノロジーを搭載していて、24時間フレッシュな状態でいられるという持続力を実現しています。
SHISEIDO シンクロスキン セルフリフレッシイング ファンデーション SPF35・PA++++
全12色 30mL 各\6,000/資生堂インターナショナル(9月1日発売)
今後も“色数でも勝負”というブランドが多くなることは必須。これだけ色数が増えれば、男性のメイクアップ熱も必然的に高まる予感。“百貨店のカウンターにファンデーションをカップルで買いに行く”…という令和的なシチュエーションも増えそうです。